昨日は久々の東京出張。フェリージ、モンクレールと大きな取引のあるブランドの来春のオーダーだったのだ。モンクレールはここ数年あまりにもダウンに偏重する日本のマーケットを是正すべく、強引なミニマム&マキシマム方式を取り入れている。全体額の一定割合は春もので、またダウンもグループ分けしたそれぞれの中で必ずこの割合はオーダーが必要、メンズレディスそれぞれ最低これだけの金額はキープしないと取引しない、等々。付き合いきれずに取り扱いを中止したり、させられたりする小売店は後を絶たない。私はもちろん文句を言いながらも、ある程度は理解している。食肉や中国産製品の例を挙げるまでもなく、最高級のホワイトグースが無尽蔵に供給され続けるはずがないことは誰が考えても分かる。売れ筋だけの偏った生産ではブランドの寿命も縮まってしまうし、結局はマーケットが荒れて何にも残らないという事になるんだ。それも需要と供給のバランスだから、そんな条件ならいらん!と皆にそっぽを向かれればそれまでという話。フェリージもそうなんだけど、色によってはサンプルもなくて、数センチ四方のカラー見本を元に数千万のオーダーを小一時間でかけなくてはならないこの業界はどこかいびつだ。