最近夜な夜な読みふけっていたのが馳星周「煉獄の使徒」。
昨日の夜中ようやく読了。オウム真理教の一連の事件をモチーフに
しているんだが、現実と創作のその狭間で色々と考えさせられた。
少し前に村上春樹の「アンダーグラウンド」を読んでいた事もあったし。

1995年3月20日。29歳の僕は馬喰町の総合卸に勤務していた。
都営新宿線で通勤していたから、その日も日比谷線でガスの事故が
あったそうだ、程度の噂は耳にしたが全く何が起きているか知らなかった。
目と鼻の先で大惨事が起きていたというのに、、。
結納を翌週に控えていた家内は千代田線で赤坂まで通っていた。
ほんの少しのタイミングで事件に巻き込まれたかもしれなかった。

二日後、カナリヤの入った鳥かごを先頭に上九一色村教団本部への
強制捜査。異様な光景に社食のテレビの前では皆ずっと無言だった。
こんな大掛かりな捜査が、たった二日で準備できるとは思えないし
警察は知っていたんだな、と直感的に思ったのを覚えている。
日本人として忘れてはいけない、目を背けてはいけない事件だろうと思う。