久々の東京出張。これからの季節は朝寒くて、暗くて、時には雪だったりしてつらいんだなあ。出ちゃえば全然平気なんだけど。7時10分の1便だから6時前には家を出る。関東は雨の予報だったがなんとか天気はもってくれて助かった。日本橋の旧知の取引先。もう10年の付き合いだ。値ごろなダウンジャケットや中綿ジャケットを仕入れ。銀座、日本橋、新宿の百貨店の売り場には欠かせないアイテムとしてこの会社は生き残っている。久々だし朝一番の約束だったから「ます寿司」を差し入れたら、好評だった。

江戸通りに出て(懐かしいなあ、この辺は何か落ち着く。社会人としては馬喰町育ちだから)人形町から日比谷線。しまったSuicaを忘れた。面倒だなあ、切符買うの。広尾からタクシーでブラーミン、ベアトリスの春物。今回はとても良いんじゃないかな。毎年必ず足りなくなる入卒園(学)式対応のセットアップももちろんオーダーしました。今後はブルーコム.jpのHPもシチュエーション別の提案をして行きたいと思っています。そこから新規のバッグ屋さん。下北沢にあるらしい。タクシーで、商店街を抜ける。道細っ。でも若者が多く、活気に満ちあふれていました。TAMBUタンブーというバッグ屋さんは7,8年前一度取引を断られた。すでに取り組んでいる大手があったからなんだけど、ユーロ高がとどまることを知らず私は国内のきちんとものづくりをするメーカーをもう一回探そうと思っていた。そこでもう一度連絡を取ったのだ。担当の方と名刺交換してサンプルを拝見する。昔ほどぱっと見て高揚感があったり、アドレナリンが出たりしないんだけど、堅実にいいものを作っている雰囲気は伝わる。うん、いいと思う。店頭で受け入れられるか否かは頭で考えたって分からない。大げさに言えば五感で感じるものなんだ。昔のADMJは展示会を見るだけで高揚感があった。売れている、ということはそういう事なんだろう。どんなメーカーだって必ず一つや二つは売り上げを支える品番が絶対にある。それを確実にセレクトするんだ。実用的なトートバッグ、クリスマスに間に合うようにクラッチバッグもオーダーしました。その後は来年秋冬のラヴェンハム、トラディッショナルウェザーウェアのオーダー。早いなあ、まだ店頭もこれからだっていうのに。ラヴェンハムはまた枠が小さくなったらしいが、今年と同じかそれ以上の枠を確保しました。これも年が明けて落ち着いたらご予約を伺います。

東京は北風が冷たくて、寒かった、、、。
帰りの羽田で少し時間があって村上龍の「案外、買い物好き」という本を買った。「何で同じようなシャツばかりそんなに買うんですか?」という台詞は私がいつも家内に言われてるのと同じだ。似てるんじゃなくて、まったく同じものを2枚、2足買ったりする。たまたま洗濯してて、その日にどうしても着たくなったら困るから、とか本人以外は意味不明の言い訳も同じで、私は少し嬉しくなった。自分の欲しいものを選んで購入するということ。村上龍によればそれは資本主義的自由の象徴なんだそうだ。そしてそれは今日何回も使った言葉だけど、ある種の高揚感を伴う。私の仕事はある意味年間数億円規模のお買い物なのかもしれない、とふと思った。そうだとすれば、その密やかな楽しみをスタッフに権限委譲するのはとても惜しい気がしてきた。やっぱりどきどきわくわくする楽しいお店にしなきゃな、と思う。